日焼け止めの強さを表す、「SPF」と「PA」の表記。
数字が大きかったり、+の数が多いと強いということはなんとなく分かるけど、しっかりとした意味合いが分からない方向けに、「SPF」と「PA」について徹底的に解説していきます。
とにかく数字の高い日焼け止めが良いと思っている
SPFとPAの正確な意味・計算方法を知りたい
使用シーンに応じた日焼け止めの選び方を知りたい
本記事では、上記のような疑問をお持ちの方向けに、SPFとPAについて詳しい知識を紹介していきます。
SPFとPAとは?
SPFとPAとは、日焼け止めに記載されている、日焼け止めとしての強さ・効果を表す目安です。
SPFは10~50までの数字(50を超えると50+という表記になる)、PAは+~++++までの4段階で表されます。

SPFはSun Protection Factor(サンプロテクションファクター)の略称で、日本語で言うと紫外線防御指数、日焼け止め指数といった意味合いになります。
PAはProtection Grade of UV-A(プロテクショングレイドオブユーブイエー)の略称で、日本語で言うとUV-Aの保護等級といった意味合いになります。
SPFとPAの違いについて
SPFとPAにはどのような違いがあるのでしょうか?
両方とも、紫外線からの防御力を示している数値ではあるのですが、SPFは紫外線B波(UV-B)の防御指数、PAは紫外線A波(UV-A)の防御指数と、細かい意味合いに違いがあります。

SPFとPAそれぞれの違いを理解するには、紫外線B波と紫外線A波の違いを理解することが必要です。
それぞれ簡単に違いを解説していきます。
SPFは紫外線B波の防御指数!紫外線B波の特徴
SPFは、主に紫外線B波(UV-B)を防ぐ効果の指数のことです。
紫外線B波はサンバーン(肌が赤くなる日焼け)やサンタン(肌が褐色になる日焼け)を引き起こし、紫外線B波は後に紹介する紫外線A波(UV-A)よりもエネルギーが強いです。
肌の細胞を傷つけたり、炎症を引き起こしたり、皮膚ガンの原因やシミの原因となります。
ただし、紫外線B波は紫外線A波よりも波長が短いという特徴があり、雲やオゾン層に阻まれ、地上に到達する際には全紫外線量の10%ほどと言われています。

日傘を使用したり、長袖の洋服を着たりすることで直射日光を避け、ある程度防御することが出来ます。
紫外線B波を防ぐことは、直接的な肌の痛みを防ぐことに重要な意味合いを持ちます。
PAは紫外線A波の防御指数!紫外線A波の特徴
PAは、主に紫外線A波(UV-A)を防ぐ効果の指数のことです。
紫外線A波は紫外線B波と比べ、急激なお肌へのダメージを与えることはありません。
サンバーン(肌が赤くなる日焼け)やサンタン(肌が褐色になる日焼け)を引き起こしにくいので、紫外線B波よりも危険が少ないと思われていました。
しかし、近年の研究結果により、紫外線A波のほうがシミやしわの発生に大きく関わっているということが分かりました。
紫外線A波は紫外線B波よりも波長が長く、肌の奥深くまで到達し、コラーゲンやエラスチンにダメージを与えてしわの原因を作ったり、弾力やハリを奪ったり、気づかない間に肌トラブルを引き起こしているのです。

また、紫外線A波は紫外線B波と比べて、雲やオゾン層も簡単に通り抜け、常に紫外線B波の20倍以上の量が地上に降り注いでいます。
窓ガラスでさえ通り抜けが可能で、家の中にいても注意や対策が必要なやっかいな紫外線なのです。
紫外線A波を防ぐことは、将来的な肌トラブルを防ぐ上で重要な意味合いを持ちます。

紫外線量の月別値について
出典:国立環境研究所 有害紫外線モニタリングネットワーク事務局
紫外線A波と紫外線B波の月別での紫外線量のグラフになります。
見ての通り、紫外線B波は夏と冬で5倍もの紫外線量の差があり、紫外線A波は夏と冬で2倍ほどしか差がありません。
また、紫外線B波は一番多いところで30kJ/㎡未満なのに対し、紫外線A波は一番多いところで1000kJ/㎡以上と30倍以上紫外線量に差があります。
このことから、紫外線対策として、日焼け止めのPAの等級は1年中気にしておく必要があることが分かります。

冬に痛みを伴う日焼けをすることはほぼ無いかと思います(紫外線B波の量が少ない)ので、冬の日常使いの日焼け止めに関してはSPFの数字が低くても問題はありません。
しかし、冬場でも降り注いでいる紫外線A波は痛みなどを伴わず、肌の奥深くでじわじわと肌トラブルの元凶を作るやっかいな紫外線。
冬でも自覚のないうちに肌の奥底で悪さをしていますので、PAの数値が++以上のものは冬でも付けておくと良いでしょう。

SPFとPAの効果について
SPFは紫外線B波(UV-B)を防ぎ、直接的な肌の痛みを防ぐことに重要な意味合いを持ちます。
PAは紫外線A波(UV-A)を防ぎ、将来的な肌トラブルを防ぐ上で重要な意味合いを持ちます。

SPFは10~50+までの数字、PAは+~++++の4段階でその防御力を表していますが、それぞれどのような効果を見込めるのかを解説していきます。
SPFの基準と計算方法
SPFの数字の意味合いは、日焼けや肌へのダメージ(メラニン生成)を○倍遅らせるという説明が良くなされていますが、これは分かりやすいように説明しているだけで、SPFの数字に応じて○倍日焼けを遅らせるという測定は行われておりません。
SPF1だと日焼けを20分遅らせるから、SPF30だと20×30=600分だから10時間日焼けしない、というような間違った解説をしている情報は多いです。

実際は、人工の紫外線B波を強さ別にヒトの背中に照射し、素肌が一番始めに日焼けしたときの照射時間と、日焼け止めを塗ってから一番始めに日焼けが起きたときの照射時間を割り算して求めています。
素肌状態で紫外線B波レベル1では日焼けせずに、レベル2で日焼けしたとして、同じヒトが日焼け止めを塗った場合、紫外線B波レベル39では日焼けせずにレベル40で日焼けしたとすれば、40÷2=20で「SPF20」というように計算して求めています。

季節や天候、日によって降り注ぐ紫外線B波の量に違いがあるので一概には言えませんが、「SPF1につき約20分、SPFの数字に応じて○倍日焼けを遅らせる」という考えでもおおよそ近い数字になるとは思われるので、そのように考えてもらっておいても問題ありません。
PAの基準と計算方法
PAの+の数の意味合いは、紫外線A波(UV-A)を皮膚に照射した後、個人差はありますが2~4時間後に現れる黒化反応をどの程度抑える効果があるのかを示した値です。
「+」の数がひとつ増えるごとに2倍の紫外線A波カット力があり、「++++」だと素肌の状態と比べて16倍以上の効果があると言われています。

こちらもSPFと同じで、人工の紫外線を強さ別にヒトの背中に照射し、素肌が一番始めに黒化したときの照射時間と、日焼け止めを塗ってから一番始めに黒化が起きたときの照射時間を割り算して求めています。
割り算して求まった数値が、
2~4未満の場合は「PA+」
4~8未満の場合は「PA++」
8~16未満の場合は「PA+++」
16以上の場合は「PA++++」となります。
素肌状態で紫外線A波レベル1では日焼けせずにレベル2で黒化したとして、同じヒトが日焼け止めを塗った場合、紫外線A波レベル15では黒化せずにレベル16で黒化したとすれば、16÷2=8で「PA+++」というように計算して求めています。

SPFとPAの肌への負担は?
SPFとPAは、数字や+の数が多ければ日焼け止めとして効果が高いのですが、肌への負担はどうなのでしょうか?
一昔前では、一般的にSPFとPAの数字が高ければ高いほど肌への負担が大きく、SPF30以上・PA+++以上の日焼け止めはお肌への負担となると言われていました。
しかし、最近の商品は進化していて、日焼け止め自体に保湿効果があるものがほとんどで、紫外線吸収剤を使わずとも高いSPF・PA値を出しているものが主流です。
SPF30以上・PA+++以上の日焼け止めでも、しっかりクレンジングして塗り残しが無いようにすれば、肌への負担にはならないと思ってもらって大丈夫です。

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紫外線吸収剤と紫外線錯乱剤について
日焼け止めには、紫外線吸収剤と紫外線錯乱剤という成分が入っています。
一般的には紫外線吸収剤の方が効果が高いのですが肌にダメージを与える可能性が高く、紫外線錯乱剤の方が効果は低いのですが肌に優しいといったイメージです。
代表的な紫外線吸収剤はメトキシケイヒ酸エチルヘキシル(UV-B波の吸収に優れる)、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン(UV-A波の吸収に優れる)あたりです。
紫外線錯乱剤で有名なものだと、酸化チタン、酸化亜鉛あたりです。
とはいえ、冬の太陽が出ていない日にSPF50・PA++++の日焼け止めを塗るより、SPF20・PA++の日焼け止めを塗ったほうが肌の乾燥を招かないことは明白です。
肌が乾燥してしまうと、潤っている肌よりも日焼けしてしまいやすくなるので、本末転倒です。

下記に詳しく紹介しますが、日焼け止めは使用シーンに応じて変えていくようにしましょう。
日焼け止めを使用する前には、しっかりとお肌の保湿をしておくことでUVカットの効果を最大限高めることが出来るので、覚えておきましょう。

SPFとPAの選び方の目安
SPFとPAの選び方の目安として、使用シーンが大きく関わって来ます。
大きく3パターンに分類していますので、用途に合った日焼け止めのSPFとPAの数値を選ぶことが大事です。
SPF20前後・PA++はこんなシーンにオススメ
SPF20前後、PA++の日焼け止めは、春夏秋冬の日常使いにオススメです。
この数値の日焼け止めのメリットは、なんと言っても通常の洗顔で日焼け止めを落とせる点です。
これ以上の数値の日焼け止めを日常使いに使用したい場合は、クレンジングしないと日焼け止めを落とし切ることが難しくなります。
クレンジングにあまり縁のない男性にとっては、日常使い用としては特にSPF20前後・PA++の日焼け止めをオススメします。
また、この数値のものは毎日使うものなので、保湿効果もしっかり見込める、ある程度高価なものを使った方が良いです。
粗悪な日焼け止めを毎日使うと、肌トラブルの原因となりかねません。
男性向けに、私が普段使っている日焼け止めの紹介もしておきます。
化粧品ブランドとして有名なPOLAから出ているメンズ向けシリーズ「マージェンス」の日焼け止めです。
とても高貴な香りがする点と、マージェンスの日焼け止めを塗ると1日中鼻やおでこのテカリが気にならなくなります。
保湿成分として効果の高い加水分解ヒアルロン酸も入っていて、モテたい男性には最高の一品と思っています。
詳しい使用感などのレビューもありますので、参考にして見て下さい。
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SPF30前後・PA+++はこんなシーンにオススメ
SPF30前後、PA+++の日焼け止めは、春秋冬のスポーツやレジャーの際に使うことをオススメします。
長時間紫外線を浴びる恐れのある場合、SPF20前後、PA++だと日焼け止め効果が足りず、肌への負担となる可能性が高まるからです。
下記に紹介する通り、炎天下でのレジャーやスポーツではこの数値でも紫外線を防ぎきれない可能性が高いので、夏場はSPF40以上、PA++++の日焼け止めを使用すると良いでしょう。
また、SPF30以上、PA+++以上の日焼け止めを使用した際は、通常の洗顔で落とし切ることが難しいです。
気持ち長めに洗顔を行うか、クレンジングして落とす必要性が出て来ますので、そこの点は注意をしましょう。

SPF40以上・PA++++はこんなシーンにオススメ
SPF40以上、PA++++の日焼け止めは、夏のレジャーやスポーツの際に使うことをオススメします。
炎天下でのレジャーやマリンスポーツでは強力なエネルギーの紫外線をたくさん浴びることとなります。
また、スノーボードやスキーなどのウィンタースポーツもゲレンデの強烈な照り返しによる紫外線が降り注ぐので、この数値の日焼け止めを使用することをオススメします。

まとめ
日焼け止めのSPFとPAについて、解説して来ました。
当サイトおすすめの、メンズ用日焼け止めランキングもあるので、是非参考にしてみてください。
日常使い用や、BBクリームとしての効果を持つ日焼け止め、真夏使いに適した日焼け止めなどを紹介しています。
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また、当サイトでおすすめしている洗顔料や化粧水などの基礎化粧品のおすすめ商品をまとめた記事もあります。
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